- 回復とは、休んでいる時間ではなく、体が作業をしている時間
- 「年齢だから疲れが取れない」という説明は、研究では支持されていない
- 疲れの感じ方を左右しているのは、酸素の使われ方
「朝からだる重…」 「しっかり寝たのに、昨日の疲れが抜けていない」
以前は一晩で戻っていたのに、今は疲れが抜けない。
「年齢のせいかな」と思ってしまうことが増えていないでしょうか。
ただ、この「年齢のせい」という説明ですが、研究で調べてみると、根拠が見当たりません。
回復は、休んでいる時間ではなく「作業」の時間

眠っている間、体は止まっているのではありません。エネルギーを作り直すという作業を、ずっと続けています。
体を動かすとき、筋肉ではエネルギーを使います。使った後の筋肉はエネルギーが減った状態になり、これが疲れとして感じられます。
その後、体はエネルギーを作り直す作業を始めます。この作業のほとんどが、酸素を使った代謝でまかなわれています。
つまり「休めば回復」するのではなく、「回復という作業が進めば回復」する。
では、この作業は年齢とともに遅くなるのでしょうか。
「年齢だから回復が遅い」は、研究では支持されていない
年齢が上がると回復が遅くなる。この説明を裏付ける研究は、見当たりません。
年齢による差はなかったとする報告が、繰り返し出ています。
疲れが取れない理由として、「筋肉量が減るから」「ホルモンの影響で」と説明されることがあります。
けれど、実際に年齢の違う人を比べた研究では、回復に差が出ていません。
運動でダメージを受けた筋肉がどう戻るかを調べた研究でも、若い世代と年齢が上の世代で、戻り方は変わりませんでした。
では、なぜ「年齢のせい」と感じるのか。
運動後に筋肉の痛みや疲れが強く出るのは、久しぶりの動きをしたときです。
長くやっていなかった動きをすると、体はそれに慣れていないぶん、反応が大きくなります。
40代、50代になると、20代の頃のように毎日体を動かさないことが多い。
だから「久しぶりに動かす」の機会が増えます。
それを「年齢のせいで回復が遅くなった」と感じてしまいます。
疲れの感じ方を左右するのは、酸素の使われ方

年齢ではなく、酸素がどう使われているか。ここが回復の速さを決めています。
回復の作業のほとんどで酸素が使われている以上、見るべきは酸素の扱い方です。
同じ40代でも、一日の大半を座って過ごす人と、週に何度か運動している人では、体の中の状態は同じではありません。
年齢とともに体が変わっていくこと自体は、止められません。
けれど「疲れが取れないのは年齢のせい」という説明には、研究の裏づけがありませんでした。
年齢という数字が、回復の速さを決めているわけではありません。
決めているのは、体の中で酸素がどう届き、どう使われているか。
体に入ってきた酸素が、どこへ運ばれ、どう使われているのか。
このコラムでは、体の中で起きていることを、これからも少しずつ見ていきます。
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